なぜ不動産登記をするのかPart2

さて今回は不動産を故人から相続した場合です、
前回の売買との違いは故人の権利義務をまるごと承継する(包括承継、売買は特定承継)ため権利を主張する第三者が存在しにくい点が挙げられます。
例えば、ご主人Xが死亡しX所有の家を奥さんAおよび一人息子Bが法定相続分通り(二分の一ずつ)相続した場合、
登記せずにX名義のまま放置してあるケースがたまにあります。
亡くなったご主人名義のまま、奥さんと子供でそのまま住み続けている場合などです、誰かに権利を主張されたりしないのでしょうか?

これは相続の場合の中でも法定相続分による場合、その権利の取得を登記なくして第三者に対抗できる趣旨の判例があるからだと思われます。

また奥さんAに全部相続させる旨の遺言が有った場合も登記なくして対抗できるとする判例はあります。

しかし、奥さんA及び息子Bで遺産分割協議が有った場合の話は別で、権利を取得した相続人はその登記を経由しなければ自分が単独所有者であることを第三者に対抗できないとする判例があるので注意が必要です。

相続の場合、不動産売買の時のように急いで登記する必要はないと思いますが、登記をしなくても特段の不利益のないケースやその逆のケースもありますので独断で判断されるのは危険だと思います。
故人の葬儀がすみ一段落したら相続登記のことを司法書士へ相談してみては如何でしょうか。